システム奮闘記:その58

中国のLinuxを求めて上海旅行



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(2007年2月24日に掲載)
  2007年1月27日〜29日までの二泊三日、上海へ行ってきました。

  今回は、気分転換で旅行ネタを書いてみました。
  題して「上海ペンギン旅行記」です (^^)


  私が上海に興味を持ったのは、今を遡る事、20年前。中学1年の時だった。
  当時の国語のN先生が、ジャッキー・チェーンの無類の大ファンで
しかも中国大好きで、中国語が話せる人だった。
  国語の授業の時に、上海の旅行の話を聞かせてもらったりして、
上海へ行ってみたいと思った。

  そんな時期に、神戸〜上海間に定期フェリー「鑑真号」が周航した。
  上海はどんな街かという事で、ますます行きたくなった。

  学生時代に上海一人旅を考えたのだが、意外と航空券が高い上
ビザが必要だったので、面倒なので行こうと思わなかった。


  なので、ズルズルと上海へ行く事なく、過ごして来た。


  2006年12月、新聞広告でマップツアーの上海旅行があった。
  そこでマップツアーのホームページを見た。

  ツアーの場合、一人で参加すると「一人用の料金」が発生する上、
一通りの観光はできても拘束される。街をブラブラ散策する事は難しい。

  そこで、航空券を見ると・・・。

  1月、関空〜上海、往復28000円!

  中国国際航空だった。土日を絡めても、その値段なので、飛びついた私。
  早速、マップツアーの三宮事務所へ行き、詳細を聞く。
  原油高の影響で燃料費が9600円かかるが、それを考えても安い。

  なので、迷わず購入した!!

  宿は上海駅近くの3つ星の「良安大飯店」で、素泊まり1泊4900円。
  宿にしては高いのだが、安全や快適さを考えて、妥当と判断。

  中国の場合、シャングリラ、リッツカールトンのような5つ星は別にして
3つ星や、それ以下のホテルだと、下手に個人で宿をとって現地に行っても
「予約がありません」と平然と言われる場合がある。
  なので、旅行会社を通じてホテルを取るのが無難 (^^)

注釈 (2011/9/17追加)
ホテルの値段が安いと思いきや、実際には、もっと安いホテルがあった。
2011年5月に上海へ行った時、1泊3500円のホテルだった。
しかも快適性や安全性には問題なかった。


  気候は関西と同じなので、服装について考える必要はない。
  二泊三日な上、冬なので汗をかく事もないので、上着は同じ物を着れば良い。
  なので、下着の替えさえ持っていけばOK。荷物は軽くて済む (^^)

中国語の勉強

さて、海外旅行の時に問題になるのは言葉の壁だ。 私の場合、四声と呼ばれるアクセントはできる。なぜなら・・・ 中学生の時に勉強したのらー!! 中学1年の時、既に英語嫌いで「鬼畜米英」と叫んでいた私は 中学2年の時、「これからは中国の時代だ! 中国語だ!」と言って 2年間、ラジオの中国語講座を聞いていた。 それから20年近く、中国語を勉強していないのだが、その時のお陰で、 10〜20ぐらいの単語や簡単な文章が言える。 今回は、少し中国語を勉強した。少しでも語彙が増えれば、 旅行が楽になるからだ。 だが、日本で一般的に言われる中国語は「北京語」と呼ばれるもので、 中国の共通語だが、上海には地元の言葉「上海語」がある。 中国人の半分は、北京語が話せないという。 なので、上海では北京語が通じるのか不安になる。 香港へ旅行した時、あまり英語は通じない。北京語はもっと通じない。 しかも私は広東語の挨拶の単語すら全く知らないので、往生した。 そんなトラウマ(?)があるので、不安になりながらの出発になった。

上海を目指して出発

2007年1月27日の朝、関西国際空港にいた。 時間潰しに雑誌などを購入する時は、出国手続きを済ませてから 売店で買うのがお薦め。 消費税がかかっていないもーん (^^) 出国手続きを済ませた後は、日本国内の扱いではないため、 消費税がかからない。 税金と称して、国民から搾取する国家に払うお金などないのらー!!
注釈 (2011/9/17追加)
相当、あとで知った話、出国手続きを済ませた後の売店で 消費税がかからないのは、国内扱いではなく、海外へ持ち出すため 輸出扱いになるからだ。そのため消費税がかからないのだ。 でも、出国手続きを済ませた後に利用する空港ロビーなどの 公衆電話は国内消費のため、消費税はしっかりととられる。

  ゆったりとした空港のラウンジを利用するためのお薦めが
ゴールドカードの取得!!  

  ゴールドカードがあれば、タダでジュースが飲み放題。
  私はこのためにゴールドカードを取得したのだ。

  ふふふ、私はリッチマンなのだ!! (^^)

  とゴージャスな気分。
  ゴールドカードを取得すれば、女の子とデートした場合、支払い時に
さりげなくゴールドカードを見せれば、女の子のハートを掴める。

  だが、実は、私のゴールドカードは入会金無料、年会費無料なのだ。
  というのも勤務先が入っている法人向けカードのサービスで、社員の場合、
福利厚生の一環で入会金無料、年会費無料でゴールドカードが取得できる。
  なので、リッチマンでなくても、ゴールドカードが持てるのだ!!

  他にも国内・海外旅行をする場合の利点がある。

  旅行保険がついているのだ!!

  海外出張の多い人の話では、例え、ゴールドカードの年会費がかかっても、
保険の事を考えれば、元がとれるという。

  カード嫌いの私だったが、支払い方法を現金からカードに切り替える事で
ポイントを溜めて特典も得られるので、これは便利な物だと知った。


  だが、むやみにカードを中国で使うのはお薦めできない。
  一流ホテルなどをのぞけば、スキミングされる危険があるからだ。
  なので、私は上海ではカードを使わなかった。

上海到着

上海浦東国際空港に到着。香港旅行以来の、4年半ぶりの大陸だ。 気候は関西と同じと聞いていたが、日本が暖冬だったせいか、 暖冬仕様の服装だったので、少し寒く感じた。 でも、歩いていると寒くはない。 まずは日本円から中国の通貨「元」に替える必要がある。 なにせ市内に出るためには、交通機関を使うため、人民元が必要だ。 しかし、日本で換金するのはお薦めできない。 レートが悪過ぎるからだ (--; 日本の銀行や旅行会社が、日本人からボッタクル神経が理解できん。 現地の銀行や換金所で交換した方がレートが良いのだ。 もちろん、中国に限らず、海外での換金の際に、注意して見ないと、 ゴマかされる危険はある。 さて、私の場合、シティーバンクに口座を持っている。 なので、現地のシティーバンクのATMから現地の通貨が引き出せる。 その時の変換レートは比較的良いのだ。 ちなみに、レートを比較してみると以下の感じだ。
レートの比較
シティーバンク
(現地ATM)
某大手旅行会社 某銀行
1元=16.3円 1元=17.8円 1元=17.4円
レートを調べた日が、それぞれ異なるため、
あくまでも参考程度にしてください

とはいえ、これらを調べた日の間は、大きな変動がなかったので
シティーバンクの現地ATMを使う方法は賢い選択だと思う。

  普段なら空港で移動したりする分の必要最低限のお金だけ換金するが、
シティーバンクの場合、上海市内(外灘)以外にも、空港にもATMがある。

  入国手続きの所を出た場所にある。これは便利だと思った。
  空港のATMを使って、滞在分の費用を引き出す。
  もし、予算超過しても、市内のシティーバンクのATMを使えば良い (^^)

  そして、1000元ほど引き出した。


  入国手続きだが、中国の入国管理カードや、入国税関申告書で、
中国人が記入する場所を見てみる。
  そこにはチェックの欄に中国、香港、マカオがある。
そこまでは問題はないが、なんと、台湾まである。

中国の入国税関申告書
中国の入国税関申告書

  おい、台湾は中国ではないぞ!  独立国家だぞ!
  「お前の物は俺の物」と言い張るジャイアンそのものだ。
  台湾や台湾人に失礼ではないか!

  中国の古典で、礼節を説く論語があるのだが

  中国共産党は論語が理解できない連中の集まり

  と断言するが、この部分は日本政府も見習うべき所がある。
  日本人の入国カードの所に、日本のチェック欄に、北方領土、尖閣諸島、
竹島の欄を設ければ良いではないか。

  中国からアイデアを盗む私なのだ (^^)


空港から上海駅に向かう

さて、入国手続きが済んだ。 さて、市内に出るには、リニアモーターカー、バス、タクシーがある。 私は上海の街がどんな物かを眺めたいと思い、バスで市内に出る事にした。 時間は80分かかるので、時間のない人はリニアモーターカーをお勧めします。
注釈 (2011/9/17追加)
2010年の上海万博に合わせて浦東国際空港まで地下鉄が開通した。
地下鉄を使えば1時間もあれば市の中心街へ行けますので
安く行きたい場合は地下鉄をお薦めします。人民広場まで7元です。

 さて、バスターミナルへ行く。

バスターミナル
上海浦東国際空港のバスターミナル

  さて、いざバスに乗ろうと思ったのだが、どこで切符を買えば良いのかわからない。
  バス停にいる係の人に

  

  と言った。「すみません、切符を買いたいのです」の意味だ。

  しかし、係の人の中国語が聞き取れない (--;;
  もしかして、上海では上海語が主流で、北京語はそんなに通じないのではと
不安になったりした。

  なので、英語で「Do you speak English ?」と尋ねるが、ノーだった。
  周囲の人も「ノー」だった。

  困ったなぁと思いつつ、自分が日本人である事に気づく。

  紙に書いてもらえば、ええやん!

  そうなのだ。同じ漢字を使うので、紙に書いてもらえば、
ある程度は意味が推測できる。同じ漢字文化圏なので、助かる。

  書いてもらった結果、以下の通りだった。

  

  「車に乗って切符を買う」という意味で、知っている北京語の単語だった。
  やっぱり突貫工事で勉強したのでは、現地の会話の速度についていけない (^^;;


  いざ、バスに乗るが、順番なんてメチャクチャ。
  我先にとバスに乗り込むため、私も負けずに席取り合戦に参戦。
  辛うじて席に座れた (^^;;

  バスの中で切符を買う。空港から上海駅まで18元(306円)

  バスに乗って、しばらく進むと工業団地が見える。
  中国が外資系企業を誘致するために、色々、優遇している感じだ。
  それにしても、区画がでかい!  デカい国だけあってサイズも大きいようだ!

  市内に入ると、車が凄い。

上海市内
上海市内の大通りの様子
経済発展目覚しい中国。車の量が凄い。
例え、富裕層の割合が低くても、人口そのものが多いため、
数としては富裕層は多くなる。
車を所有している人が、いかに多いかがわかる。

  上海駅に到着してバスを降りると、待ち受けていたのは客引のおじさん達。
  私が日本人である事がわかると、紙を持って「この宿はどうだ」だった。

  もちろん、ホテルは予約済みだし、仮に、宿を探していても、
見知らぬ人に安易についていくのは危険なので、ここは軽く

  不要、不要!!

  と言って断る。

  ホテルに荷物を置くために、良安大飯店を目指すが、地図がわかりにくい。
  なので、現地の人に道を聞きながら探す事になった。

  現地の人に、地図とホテルの名前を書いた紙を見せては
「すみません、ここへ行きたいのです」と中国語で尋ねた。

  

  そして、何人かの現地の人に聞きながら、ホテルに辿り着いた。

宿泊した良安ホテル
良安ホテルのパンフレット


ホテルに荷物を置いた。 昼すぎで、お腹が空いている。 庶民の住む場所の食堂に行く。 メニューは漢字なので、だいたい何かは想像できるのだが、 発音の仕方がわからないのらー!! そう、漢字は漢字だが、中国語の発音なんてわからない。 なので、メニューの文字を指して「これください」の意味の と言う。 肉ご飯らしき物を注文した。6元(102円) 出てきたのは、レバー肉のあんかけだった。 結構、量があるので腹いっぱいになる。 100円で腹いっぱいになるので、物価が安いと感じた。 店を出る時、店の人が 再来! 再来! と言ってくれた。「また来てね!」の意味だ。 なので、私も と言いながら手を振る。「おいしい」と言う意味だ。 上海人は、大阪人に似ている所がある。 大阪と上海は共に経済の街だし、きさくな性格もある。
上海市内を歩く時、注意が必要なのは、トイレだ。 日本みたいに公衆トイレが多くないので、暴飲暴食には注意が必要だ。 もちろん公衆トイレは有料で、上海駅前のトイレは2元(34円)だ。 なので、百貨店とかホテルのトイレを利用すれば、タダで清潔なトイレを 利用する事ができる。 ちなみに、私は、シャングリラホテルのトイレを利用しました。 5つ星で世界的に最高級ホテル。1泊2000元以上(34000円以上)するので とても自腹を切れる値段ではないが、リッチマンの気分を味わうため(?)、 トイレを拝借した (^^) さて、公衆トイレを使う際、値段を聞く。 係の人は次のように返事をした。 2元なのだが、口語では「元」と言わずに、上の単位を使う。 発音は「クワイ」に近い。慣れていないと戸惑う (^^;; だが、日本人で麻雀をやっている人なら、1〜9までの数字は 中国語の発音は知っている。 麻雀牌で萬子の「伍萬」の事を「ウーマン」と言うし 役を見ても、七対子(チートイツー)、二盃口(リャンペイコウ)、 四暗刻(スーアンコウ)、緑一色(リューイーソ)は、数の部分は中国語だ。 中国へ行くには、麻雀の知識は大事! ← ホンマか?

市内の移動は地下鉄が便利

さて、市内を移動するのに便利なのは地下鉄。
地下鉄の切符売り場
上海の地下鉄の自動券売機
自動販売機と窓口での購入の2つある。

券売機の中には、小銭とお札の両方対応しているのだが、
自動券売機は結構空いている。

中国の場合、お札はボロボロのが結構出回っている。
中にはセロテープでとめているのもあり、自動販売機では
お札の認識ができない場合があり、窓口での購入になったりする。

  初乗りが3元(51円)。遠い場所でも5元(85円)だ。
  日本人にとっては手頃な価格だが、中国人にとって手頃かどうかは謎だ。

地下鉄の切符
上海の地下鉄の切符
プラスチック製のカードになっている。

自動改札を通る時は、自動改札機のセンター部分に
カードを当てるだけで改札が通れる。

そして、改札を出る時は、カードの回収を行っているため、
改札機の中にカードを入れる。

  ホームに降りる。
  一眼レフのカメラを肩にかけている私だが、公安らしき人に声をかけられる。
  身ぶり手ぶりでやりとりして、次の事を言っている事がわかった。

  カメラをリュックの中に入れろ!

  なので、リュックの中に入れる。
  なぜ、公安らしき人は「リュックの中に入れろ」と言ったのか。

考えられる理由
(1) スリ防止のため
(2) 地下鉄構内で撮影が禁止のため

  これのどちらかだと思うが、理由を聞き出すだけの中国語の力はないので
謎のままだ。

注釈 (2011/9/17追加)
実際の所、地下鉄構内での撮影は全く問題ない。
スリが多いのでスリ防止のためにリュックに入れろというわけなのだ。
でも、この時だけで、それ以来、デジカメで上海の地下鉄の撮影をするが
駅員に何か言われる事は全くないのだ。

  地下鉄駅構内の看板広告を見て驚いた。

  女性の下着の看板広告がある!!

  ヌードはもちろん、パンチラも厳禁の中国なだけに、下着広告は驚いた。

  まぁ、モデルは白人だった。
  白人女性の下着姿の広告なんて、色気も、いやらしさも全く感じない。
  なので、中国当局はOKしたのだろうか。
  それとも外資系の下着メーカーなので、外貨稼ぎのためだろうか。


観光地の豫園へ向かう。 その途中、地下鉄の駅から徒歩20分の場所にある。 目の当たりにしたのは 上海交通戦争だった!
赤信号、みんなで渡れば恐くない?
赤信号でも平気で横断舗道をわたる中国人
日本では、大阪の歩行者は信号無視を平気ですると言われるが
上海は、大阪人顔負けだ。歩行者が信号無視をするのは日常茶飯事だ。

  上の写真は「赤信号」の時だが、恐いのは「青信号」でも同じような
写真を撮影する事ができる。
  どういう事かと言うと・・・

  自動車も信号無視するのだ!!

  歩行者がいないと思ったら、車も平気で突っ込んできたりするため、
青信号でも横断歩道を渡るのも注意が必要だ。

  2010年に上海万博があるためか、上海市は必死になって交通マナーの
向上させようとしているみたいだ。
  交差点には、係の人が立っていて、信号無視する歩行者や車に対して
笛を鳴らして注意をしている。しかし、無視しているのが現状。

  道に平気でツバを吐いたりするため、その対策も上海市は行っているようだが
昔から続いている事なので、簡単には直らないようだ。


  上海の治安だが、これも万博を意識しているのか、公安は治安対策にも
躍起になっているようだ。街の中は警官をよく見たり
パトカーが走っているのも良くみた。
  公安らしい赤い腕章をつけた人達もよく見かけた。

  街を散策していて、治安が悪いという印象はなかったが、油断は禁物。
  夜は繁華街以外ではキョロキョロしないで、堂々と歩く事がお勧め。
  そうすれば、現地人と区別がつかないので、ちょっとした自衛になる。

豫園散策

豫園は、上海で数少ない中華の雰囲気が残る場所だ。
豫園周辺
豫園周辺
中華っぽさが残る一角だ。
観光客が多いだけに、周辺は土産屋が建ち並ぶ。

  豫園に到着。入場料は30元(510円)。
  
  「豫園」とは、1559年の明代の時、四川の役人が造った庭園だ。

豫園の中
豫園の中
丸い門が中国らしさを感じる。

龍壁
豫園の中の龍壁
龍壁と呼ばれる物だ。だが、この龍は足が3本しかない。
中国では龍の足が5本の彫刻などを使うのは皇帝だけ。
4本は貴族、3本は一般庶民という区別があり、
もし、貴族や庶民が5本足の龍の食器などを使ったら
皇帝の地位を狙う奴という事で処刑された歴史がある。

  ただ、こういう場合、ツアーのありがたさを感じる。
  一人の場合、誰も解説してくれないため、ガイドブックの解説のみが
頼りなのだが、詳しく書いていないので、何が見所なのかがわからない。


  さて、豫園を出て、周辺の中華のファーストフードの店に入る
  ここの名物を食べる。10元(170円)

名物
名物のたべもの
肉まんのような感じだが、中にスープが入っている。
それをストローで飲むのだが、スープは熱いので、勢い良く飲むと
口の中が、やけどしそうになる (^^;;

  豫園の側の土産屋をのぞく。

  さて、海外旅行の楽しみは、お土産屋での値段交渉。
  今回は、ボッタクリにあった話を書きます。

  お土産屋で店のおばちゃんに「見て見て」と日本語で誘われる。
  何気なく店に入って見るが、あまり面白味がない。

  だが、話のネタになるお土産を発見した。
  毛沢東の絵が入った腕時計だった。

毛沢東の絵が入った腕時計
毛沢東のデザインの時計
毛沢東が手を振る時計なのだ。
90年代前半、中国で毛沢東ブームになった。
毛沢東グッズは厄除になるという。

まぁ、毛沢東は大躍進の失敗で2000万人を餓死させ、
文化大革命で4000万人を粛正したと言われる恐ろしい独裁者だ。

もし、中国人が「恐怖の独裁者には魔ですら寄らない」という発想で
厄除グッズにしていたら、言論の自由のない中国では、
毛沢東を表現する、上手な表現方法だと思う。

  これは話のネタになるので買おうと思った。

  値段交渉。相手が電卓を叩いて350元(5950円)を提示
  私が「ノー」と言って、30元と言った。

  この時点で失敗だった。
  10元と言えば良かったが、元と円の変換が頭の中でできてなかったのか、
思わず30元と言ってしまったのだ。

  相手は、なかなか価格を下げない。
  こっちが40元と言っても、ジワジワとしか下げない。
  50元までつり上げてしまった。相手は「安い。安い」と言う。
  相手の歩調にまんまと乗せられ、60元、70元まで上げてしまうと、
急に相手が値段を下げ出した。
  この瞬間・・・

  やられた!

  と思った。
  いきなり相手が70元に値段を下げて「これでOK」と言い出した。

  100%、ボッタクリだと思った。
  そこで、往生際の悪い私は「やっぱり50元にして」と言って、粘った。

  50元(850円)で交渉成立 (^^;;
  おばちゃんは表向きは「このケチな日本人め!」という態度だったが
私が店を立ち去る時、笑みを浮かべたので、内心は成功と喜んでいる。


  うーん、20元ぐらいの商品を、50元で買ってしまった。被害額30元。

  まぁ、被害額が30元(510円)なので、笑って済ませられるが、
これが悪徳商人に「歴史的価値の骨董品です。お買い得でっせ」と言われ
高いお金を払って偽物を掴まされたら、シャレにならない。

  というわけで、将来、中国でビジネスを考えている方は、
1000円以内で土産屋を使って、実践練習するのも良いかも (^^)

上海といえば、浦東地区だ。 改革解放が始まった頃は、浦東地区は沼地だったが、開発地区に指定され 今ではビルが建ち並ぶ地区になっている。 晩、上海のシンボル(?)のテレビ塔(東方明珠塔)へのぼりに行く。
東方明珠塔(テレビ塔)<
東方明珠塔(テレビ塔)
アジアで一番高いテレビ塔だ。
一番高い展望台が350mの所だ。上海の街が一望できる。

  どこまで昇るかで料金が変わってくる。
  全ての展望台へ行く場合は100元(1700円)だ。
  大阪・梅田の空中庭園、東京の六本木ヒルズよりも高い!!

  だが、結構、中国人も多いので、購買力の凄さを感じる。

外灘の夜景
東方明珠塔(テレビ塔)から見た外灘の夜景
テレビ塔からは上海の夜景が見れる。
綺麗だと思うと当時に、おそろしさを感じる。

それは電力消費だ。
昨今、エネルギー争奪戦で中国の活発な動きがある。
中国の経済発展と同時に、化石燃料の消費で環境破壊もある。
化石燃料で賄えない場合は、恐ろしい原発になっていく。

中国に対して「経済発展するな」と言うつもりは毛頭にないが
巨大な国がエネルギーを喰い尽くす勢いを見ると、恐ろしさを感じる。

中国が積極的に省エネに努める事を願うばかりだ。

  そして、夜遊びする事なく、素直にホテルに戻って寝る事にした。

  異国のナイトライフを旅の楽しみだが、体力温存だけでなく、
現地の詳しい人の案内なしで、下手に夜遊びすると、危険な目に遭うので
それを避けるためだ。

注釈 (2011/9/17追加)
臆病なので夜遊びをしなかったのだが、その後、上海へ行く度に
健全な夜遊びをしている。ガイドブックに載っているマッサージ。
和平飯店のジャズなどを楽しんでいる。健全な夜遊びをお薦めします (^^)


1月28日、さて朝飯はどこで食おうかと考えた。 ホテルのレストランでバカ高い食事なんぞする気はない。 なので、近くの庶民がいく食堂へ行く。 ラーメンを注文。3.5元(60円)
ラーメン
ラーメン
値段は安いのだが、味はイマイチ。
スープは薄い上、麺も味が、あまりなかった。
しかし、上にのっていた野菜の煮つけは、美味しかった。

結構、量があったので、大食漢でない限り、これで充分だ。

  食べ終わって、立ち上がって、おばちゃんにお金を渡そうとすると、
おばちゃんは

  不看菜!

  と言った。意味は「料理が見えない」だ。
  つまり私が立っているため、私が食べた物が見えないというのだ。

  「おいおい伝票を書いとらんのか」と思った。
  食べた後を見て、何を食べたか判断するので、店のおばちゃんが
間違えた勘定を言う可能性もあるが、正しい勘定だった。


  庶民の住宅周辺を歩いていると、饅頭を売っている屋台がある

住宅街の中の屋台
屋台
上海の日常や一般の人の生活を垣間見る事ができる空間だ。
玄関で洗濯しているオバちゃん、野菜を洗っているオバちゃん、
歯みがきしているオッチャン。
2階からは洗濯物を干していたり、豚肉や魚を干していたりする。

パック旅行の場合、下町の路地などを見る事がないので、
面白味に欠ける所がある。

こういう場所を見ておかないと、上海の姿を見た事にはならないと思う。

  早速、アンマンを購入。
  1元(17円)  やっぱり庶民の住む場所は安い。


  しかし、庶民の住む場所だからといって、経済発展から取り残された
貧しい人の集まりかと言えば、誤った認識になる。
  結構、服装なんか見ると、日本と変わらない服装をしていたり、
家にはクーラーを設置している所も結構見かけた。

クーラーが設定されている
住宅街の様子
古い小さな木造家屋が建ち並ぶので、住民の人達は、今をときめく
改革解放の申し子ではないが、クーラーをつけているので、
必ずしも全員が貧乏とは思えない。

だが、道を歩いていると、玄関で洗濯板を使って洗濯しているおばちゃん
玄関で歯磨きをしている、おっちゃんを見るので、昔ながらの
中国の住宅の雰囲気があると同時に、所得が高くない人もいるのも
事実だなぁと私が感じた。

  近代的な高層マンションには高くて住めないが、暮らしぶりは
決して貧しくはないようだ。


さて、上海に来たのだから、上海蟹を食わねばと思った。 秋から冬にかけて、上海蟹の季節なので、丁度良い季節だ。 上海蟹の話だが、2006年12月のTBS系の番組「世界ふしぎ発見!」でやっていた。 第989回 極上の中国・あなたの知らない上海へ 4000年前に「解さんが食べた虫」なので、「蟹」という漢字になったという。 そんな話を聞いて以来、漢字が苦手な私でも「蟹」は書けるようになった。 ところで、上海蟹だが、ニセブランドの上海蟹が出回っている。 中には、抗生物質やホルモン剤を投与して、成長促進させた 危険な蟹(?)もあるという。 なので、あやしい蟹を避けるために、「上海を歩こう」の本で、 お薦めのレストラン「老正興菜館」へ行った。 場所は、地下鉄・人民広場から徒歩7分くらいで、福州路沿いにある。 (「地球の歩き方 上海 杭州・蘇州」にも載っています) 上海蟹が1パイ148元(2516円)。やはり高級食材で高い。 だが、現在、上海蟹は日本に持ち込めない。 なので、中国で食べる価値は充分にある。 さて、上海蟹を注文する時、ウエイトレスさんからフカヒレも勧められる。 だが、フカヒレには興味のない私。なので 不要、不要!! と言って断るのだが、ウエイトレスさんも負けずに 片言の日本語で「おいしい、おいしい」と勧めてくる。 私が断る理由には、フカヒレは高い上、中国で食べるフカヒレは 気仙沼で水揚された物だもーん (^^) そうなのです。気仙沼はサメの水揚日本一で、大量のフカヒレを 中国へ輸出しているのだ。 ついでに書くと、中国の高級食材の鯉も、日本から輸入している話もある。 山形県産の鯉が中国へ輸出されているのだ。なので、 中国でメイドインジャパンを食う必要はない! しかし、その事を中国語で言えるわけがない上、仮に言った所で、 ウエイトレスさんには信じてもらえそうにない。 なので、しつこい勧めに対しては、こっちも負けずに「不要!」と言う。 さすがに、ウエイトレスさんも私の頑固さに諦めた (^^) 上海蟹だが、係の人が、目の前に持ってきて「いかがですか」と言ってくる。 何が良いのかわからないので、最初に持ってきた蟹を見て、OKという事で 「是!」と答える。 そして、待ちに待った蒸した蟹がやってきた。
蒸した上海蟹
蒸した上海蟹
フィルムが切断される事故があり、折角の上海蟹の写真が
感光してしまい、こんな写真になってしまいました (^^;;

  上海蟹は蟹ミソ。それを酸味の効いたタレをつけて食べる。

  「旨い!」と叫ぶような味ではないが、濃厚でハマりそうな味だ。


繁華街の南京東路散策

さて、上海の繁華街の一つ「南京東路」を散策。 歩行者天国になっていて、両サイドは、ビルが建ち並び、ビルの中には 百貨店やファーストフード、レストランがある。 写真があれば良いのだが、フィルムが切断したトラブルのため お見せできないのが残念 (--;; 途中、土産屋などに入ってみる。 店の人に中国語で話しかけられる。 「ちょっと見ているだけ」という中国語は 我只是看看 なのだが、これは帰国してから知った事で、旅行中は知らなかった。 そういう時、私は以下のように言う。 意味は「英語、話せますか」だ。 ホテル、スターバックス、高そうな土産屋では、英語が通じたりする。 店の人が「I can speak English.」と答えてくれると 私が「I'm just looking.」と用件を伝える。 伝えたい事を言うために、まわりくどくなる (^^;; さて、書店に入る。 日本語の学習書を発見。19元(323円)
日本語の学習書
日本語のテキスト

  だが、この学習書を書いた人は、妙に日本に詳しい人だ。

  日常生活の会話だけでなく、男女の恋愛の会話まである。
  おまけに「不倫」の話題がある。

  このテキストを書いた人は、妙に日本に詳しい人だ。
  なぜなら「不倫する」の別表現で

  失楽園する

  と書いてある!!

  確かに「失楽園」は既婚者同士の男女が、禁断の愛の世界にハマる映画だ。
  しかし、日本でも「失楽園する」という表現は聞かない。


  この教科書を見ていると、男女の恋愛やプロポーズの会話や
「1000円見つけた。ネコババしちゃえ!」という感じの会話がある。

  見ていると面白い。日本の語学の本には載りそうもないネタがある。

上海雑技団

折角、上海へ来たのだから上海雑技団を見ようと思った。 日本では「上海雑技団」という括りになっているが、実際には、 いくつかのグループがある。 最初、リッツカールトン内にある「上海商城劇院」へ行こうと思ったが、 その日の朝、チケットを購入しようと思ったが、改装工事中だった (--;; そこで近くにある、もう一つのグループの「霊峰劇院」にする事にした。 値段は280元(4760円)だった。 メチャ高い (TT) もしかして、ボッタクリではないかと疑った。 その不安は、劇場に入ると吹きとんだ。 その晩、会場に行いくと、最前列の席だった。
霊峰劇院
霊峰劇院の雑技団

  体の軟らかさが人間離れしている。
  凄いなぁと思うが、日本で何度もテレビで雑技団を見ているため、
実際に凄い演技なのだが、見慣れているため「すげー!」という物は
あまり感じなかった。

霊峰劇院
霊峰劇院の雑技団の演技

  空中を飛ぶ姿を撮影できた。
  テレビで見ているのと違い、臨場感を感じる事はできる。

  高かったが、見て良かったと思った。

1月29日、最終日。さてホテルのフトントをチェックアウトする。 その時だ。ホテルの人が「保証金の伝票は」と言い出した。 ホテルにチェックインした時、鍵(オートロックのカード式)をもらう際に 保証金として100元渡した。 しかし、私は伝票なんぞもらっていない。 フロントは幸い英語が通じる場所だったので、 I don't have it. The officer didn't give me ! と言った。 だが、相手は「渡した」と言い張り、しまいには「なくしたの」と言い出す。 私も負けずに The officer didn't give me ! と言い張ったが、相手は一切、過ちを認めない。 そして、相手は過ちを認めずに、紛失という形で処理をした。 幸い保証金は戻って来たが、中国人の「過ちを認めない」を目の当りにした。
ホテルを出て、朝飯を近くの食堂で食べた後、ブラブラ散策する。 途中、コーヒーを飲みたいと思い、スターバックスへ入る。 本日のコーヒーが12元(204円)だった。
スターバックスの伝票
スターバックの伝票

  「上海を歩こう」の本では、9元と書いている。
  この本の初版が2002年なので、5年の間に、物価が上がっているようだ。
  コーヒー代だけでは判断できないが、物価上昇率が33%という計算だ。

  そういえば、「上海を歩こう」には地下鉄の初乗りも1元(17円)と
書いてあった。私が行った時は3倍の3元だった。
  経済発展と共に急速に進むインフレだろう。

  でも、テレビ塔の値段は同じだったので、物によって物価上昇は違うが
確実に物価が上がっている感じだ。  


  ところで、上海の物価は、日本の感覚から見ると非常に奇妙だ。
  庶民の行く食堂だと5、6元くらいで腹一杯食べれる。
  なのに、コーヒー1杯は、飯より高い12元のだ。

  食事の値段も奇妙だ。
  上海の若者に人気の点心チェーン店へ行ったら、58元(986円)した。
  一般の中国人が気軽に行ける値段ではないが、繁盛していた。


  外国人観光客やビジネスマン以外に、中国の富裕層の旺盛な消費が
物価の2重化を引き起こしているのだろうか。

さて、上海で一番お洒落と言われる「新天地」に着く。 新天地を歩いていたら、神戸や横浜の感じがする。
新天地
上海の新天地

  中国っぽさがゼロな上、神戸のお洒落な場所と同じなので、
私個人としては、あまり面白味のない地区だったが、
お金のある上海の若者のデートスポットだ。

新天地
上海の新天地の様子

  だが、この日は月曜日だったせいか、賑わいがなかった。
  デートスポットも土日なら賑わうと思うが、平日だと閑散とした感じで
観光客のみがいる感じだった。 


街の中を散策すると、洋風の建物がある地区に入る。 後でわかった話、 旧・フランス租界地だった。 1840年の阿片戦争をきっかけに欧米列強による中国への進出が進む。 イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどが進出したため、 上海には今も洋風の古い建物が残っている。 当時、建てられたであろうマンションがあった。
フランス租界
フランス租界

  当時の一軒屋も残っている。
  この辺りは、道も綺麗で、庶民の住む地区とは雰囲気が違う。

フランス租界
フランス租界にある一戸建て
完全に洋風の建物だ。
今、この建物に住んでいる人は、どんな階層の人なのかと思った。

  フランス租界をブラブラしていると、上海孫中山故居記念館を発見。
  孫文の記念館だ。大人一人20元(140円)

上海孫中山故居記念館
上海孫中山故居記念館
孫文が1918年〜1924年にかけて住んでいた場所だ。

孫文は広東出身だ。12才で兄がいるハワイへ渡り勉強。
ハワイで民主主義を知る。多感な少年時代をハワイで過ごしたのが、
後の、三民主義につながったと言われる。
三民主義とは「民族主義」、「民権主義」、「民生主義」だ。

「民権主義」は主権在民で民主主義を意味するのだが、
しかし、中国は民主主義とは程遠い。
まぁ、共産党自体、一党独裁で、己が正しいという独善主義の塊な上
毛沢東は権力大好きで、三民主義の言葉の意味が理解できず、
傍若無人ぶりを発揮し、文化大革命を起こしたりした。
孫文の教えを理解できなかった愚か者だった。

もちろん、台湾へ落ちのびた蒋介石も、孫文の教えを理解できず
恐怖政治で非民主的な台湾統治を行っていた事も書いておく。

  孫文は「中華民国・建国の父」で、中国と台湾では国父と呼ばれる。

  中国と台湾という「2つの中国」という問題がある。
  中国の毛沢東、台湾の蒋介石がお互いに「本当の中国」と主張したためだ。

  ただ、台湾は蒋介石死後、蒋経国が「中国から台湾」への脱却の布石を打ち
李登輝が「台湾のアイデンティティ」を育て、今、陳水偏は一気に
「脱・中国色」を目指している。

  台湾は「台湾」という独立国家として頑張って欲しい。


  孫文と「2つの中国」の問題と言えば、宋家の3姉妹が深く関わっている。
  そうだ、思い出した!

  宋家の3姉妹は上海人だった!

  上海の大富豪で孫文を支援した宋家があったが、そこの三人娘だ。

  長女の宋靄齢は、孫文の秘書を勤めた事がある。
  次女の宋慶齢は、孫文の妻であり、中国の名誉国家主席。
  三女の宋美齢は、蒋介石の妻なのだ!

  第二次世界大戦後、長女はアメリカへ渡ったが、
次女は中国に残った。三女は蒋介石と共に台湾へ渡った。

  毛沢東率いる中国共産党が、蒋介石の国民党を台湾へ追い詰めたが
とどめを指さなかったのは、宋慶齢が妹・宋美齢の事を考えて、
毛沢東らに台湾を攻めるのに反対したのではないかと思ったりするが、
真相は謎だ。


  さて、記念館の中に入る。

  神戸の華僑歴史博物館のおじさんに教えてもらった事だが

  孫文は日本の中で神戸が一番好きなのだ

  という事で、記念館の資料で神戸の記述がないかと探すが見つからず。
  以前、台湾の国父記念館へ行った時も、神戸の記述がなかった。
  神戸市民として、ちょっと残念だ。


  孫文が最初に日本に降り立った場所、袁世凱に追われて亡命した場所、
死ぬ直前、最後に立ち寄った場所も神戸。

  辛亥革命のため孫文は日本にも援助を求めていた。
  神戸の華僑はもちろんの事、神戸の政財界も孫文に多大な援助したのだ。

  特に、袁世凱に追われて亡命した際、孫文を守ろうとして
当時の兵庫県知事、神戸の財界は孫文の亡命を認めさせるよう
日本政府に働きかけた。

  そして、日本で孫文は、宋家の次女、宋慶齢と結婚する。
  孫文は、日本とつながりも大きいのだ。

  中国政府の立場としては「日本人の援助」とは書けないのだろうが、
日中友好という事で「日本人支持者の支援も受けて辛亥革命を
成し遂げた」と書く度量は欲しいと思ったりする。

  神戸と孫文の関係は以下の本がお勧めです。
  「辛亥革命と神戸」(陳 徳仁:孫中山記念館)


楽しかった上海旅行だが、日本に帰らねばならない時がきた。 帰りは市内から空港まで走っているリニアモーターカーに乗る事にした。 日本でもリニアモーターカーには乗れる。 愛知万博の時に登場したリニモだ。乗った事があるが速度は遅い。 上海のリニアモーターカーは最高時速431キロだ。 片道50元(850円)なのだが、航空券を見せれば、20%割引されるので 40元(680円)で購入。
リニアモーターカーの駅
リニアモーターカーの駅
リニアモーターカーがホームに入る所を撮影。

リニアモーターカーの中
リニアモーターカーの中
車内を撮影。乗っている人は少なくガラ空きだった。
満員で乗れない事はなさそうだ。

速度の表示
速度の表示
最高速度は431キロだ。私もその瞬間を撮影しようとしたが
シャッターを押した瞬間、時速430キロに速度が落ちた。
惜しくも最高時速431キロの瞬間が撮影できなかったのが残念だ。

  対向車線に反対方向へ進むリニアモーターカーと、すれ違った時
「ドーン」っという衝撃があった。

上海浦東国際空港駅
上海浦東国際空港駅
7分で空港に到着した時に撮影しました。

  ついに空港まで来てしまった。
  まだまだ上海をブラブラしたいが、そんな訳にもいかず、空港へ向かう。

  いよいよ帰国。

飛行機に乗る
中国国際航空に乗る様子

  空港のターミナルの工事が追いつかないためか、機上する所までバスで移動。
  目の前に見える大きな飛行機を見ながら、機上した。

  面白かった上海旅行。また行きたいと思う。

上海でペンギンを探せ! おっと、このままで終わると、単なる旅行記になってしまう。 「上海ペンギン旅行記」としているからには、ペンギン(Linux)の話題も 取り上げねばならない。 上海2日目に、Linuxの本がないかと思い、散策の途中に、 色々な本屋をのぞいてみた。 しかし、意外とコンピューター本が置いていないのだ。 地下鉄の駅の売店では、コンピューター雑誌を見なかった。 コンピューターは高いため、富裕層は買えるが、それ以外の人達には 高嶺の花なので、日本みたいに大衆化しているわけではなさそうだ。 大きな本屋でコンピューターの本が置いてあった。 Windowsだとライセンス料が発生する。中国の物価水準では高いため 中国政府は無償のLinuxに力をいれている話を聞いた事があるが、 その本屋に限って言えば、Windowsの本もLinuxの本も同じくらいあった。 MS-Officeの本はあったが、OpenOfficeの本はなかった。 Linuxの本は、その本屋ではRedHat9と、FedoraCoreがあった。 SuseLinuxやTurboLinuxなど、商用Linuxの本はなかった。 中国の国産Linux「紅旗Linux」も、その書店では見なかった。 RedHat9の本があったので購入。25元(425円)
RedHat9の本
RedHat9の本

  もちろん、中国語なんて読めないのだが、パソコン用語の翻訳や
活用法について、日本は中国に見習うべき点がある。

  日本の場合、パソコン用語を、カタカナのままで使っている問題がある。
  だが、中国では翻訳しているのだ。

パソコン用語
パソコン用語の比較

  そして、単に訳を乗せても、中国語の概念にない物の場合もあるので
翻訳しても意味がわからない事がある。
  なので、訳の後ろに英語を乗せていたりする。

パソコン用語
パソコン用語

  日本のコンピューター関係の書籍も、こういう形にしてくれれば
読む方としては非常に助かる。
 
  あるシェルの本に「インクリメントする」なんて書いてあるが、
何の事やら、さっぱりわからん。しかし、「increment」と
英語を書いてくれるだけでも、「増加」の意味だというのがわかる。


  パソコンの用語だが、実は、英語国民にとっては、わかりやすい。
  「ディスプレー」(Display)は、元々「表示」や「展示」の意味なので、
連想しやすいため、非常にわかりやすい。

  アイコンは「ICON」で、元々の意味は「教会で文字の読めない人達に
聖書の内容を伝えるための絵」だ。
  なので、英語国民が「アイコン」と聞くと、馴染みやすい。
  実際に、パソコンのアイコンの絵を見ると、何のソフトかがわかる。

  私は「アイコン」を「絵印」と訳して、それを使った方が良いと思う。
  

  中国では、パソコン用語を意訳して、連想しやすくしている。
  日本のように、おじさん、おばさんがカタカナ用語に苦しむ事なく
円滑に学習できるのだ。
  これは、一般のIT教育が進むだけでなく、優秀なIT技術者が生まれやすい
環境ができるのではないかと思う。
  これは、良い意味で、中国のIT産業育成に大きな影響を与えると思う。


  そういう意味では、日本のIT産業や、IT技術者を育てる意味でも

  どんどん翻訳を進めましょう!!


  ところで、中国語に当て字がないかといえば、そんな事はない。
  外来語の音に似た漢字の音を使った当て字はある。

当て字
中国語の当て字の例
中国では全ての外来語を訳しているかといえば、
あて字を使っている場合がある。上に挙げているのが良い例だ。

(注意)
発音でカタカナを書いているが、正確な発音ではない。
コーラーは正しい中国語の発音は「ke le」となる。
「e」は日本語にない発音のため、仕方なく、近い発音を表記した。

  こんな感じで、外来語にあて字を使う場合もある。
  しかし、カタカナのない中国語の場合、あて字を使うのも限度があるため
翻訳しないといけない事情がある。
  それが逆に、日本のようなカタカナ用語の氾濫が起こらない


  私は、カタカナ排斥主義ではないし、絶対翻訳主義ではない。
  それに日本や日本語の概念にない物を訳すのは困難なので、
カタカナという手段を使い、日本語の語彙を増やすのは、止む得ない事だと思う。
  食べ物などの場合は、カタカナでも良いと思う。
  トマト、バナナ、レモンを無理に訳せとは言わない。


  問題は、カタカナを使うのが格好良いという誤った発想だ!

  「シナジー効果」ではなく「相乗効果」と言えば良いではないか。
  「ディスクロージャー」ではなく「情報開示」と言えば良いではないか。
  「イノベーション」ではなく「技術革新」と言えば良いではないか。

  欧米かぶれな発想は、用語に対する混乱を招くだけでなく、
学習の阻害になり、それが日本を駄目にすると思う。


  そういう意味では江戸時代のオランダ通詞達や、明治時代の人達が
欧米の言葉や概念を、日本語に翻訳していったのは、尊敬に値すると思う。

  TBS系の「世界ふしぎ発見」でもオランダ通詞達の話があった。
  第988回 日米交流はここから始まった! 幕末サムライ英会話学校

  「自由」、「惑星」といった言葉は、オランダ通詞達が訳した言葉だ。

  そう思うと、中国の翻訳を見習う必要がある事を痛感した。

最後に 今回は、上海ペンギン旅行記という事で、上海の街の様子と ちょっとLinuxの話題を取り上げました。 撮影したフィルムの切断事故が発生し、撮影した物の3分の1が、 ボツになってしまいましたが、なんとか旅行記らしい物ができました。 上海で、どれくらい北京語が通じるかですが、全く問題ありませんでした。 地下鉄や空港などの公共の場のアナウンスは、全て北京語でした。 街の中の人々の会話でも北京語が聞こえてきたり、庶民が行く食堂でも 北京語の会話が聞こえて来ました。 特に、上海は中国全土から人が流入しているせいもあって、 北京語が通じないと、中国人同士、会話ができない状態になります。 お陰で、上海語を知らない私でも、知っている北京語の単語が使えて 助かりました。
2011/10/9追加
その後、数回、上海へ行きわかった事ですが
上海人は外国人に対しては北京語で話してくれます。
でも、他の地域の中国人に対しては「ここは上海だ」と
言わんばかりに、上海語で話したりします。
そのため他の中国人は「上海人は上海語しか話さない」と
ボヤいています。
上海は凄い都市でも、上海人が凄いわけでないのですが。

  Linuxの部分ですが、ほんの一部しか見れなかったので、
何とも言えないのですが、日本ほど普及している感じがしなかったです。
  実際は、どうなっているのか、今度、上海へ行く機会があれば、
探ってみたいと思います (^^)


  (お勧めの本)

  「地球の歩き方 上海 杭州・蘇州」
  「上海を歩こう」(杉浦さやか:ワニブックス)

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