システム奮闘記:その20
はじめに うちの会社はユーザー企業。それもITと無縁の人が多い。 そのため、パソコン関係でトラブルが起こると、私はサポートセンターになる。 本社なら、その人の所へ駆けつける事ができるのだが、 営業所となれば、困った問題が起こる。 相手の画面の内容がわからへん (--;; 電話でやりとりしながら、相手の画面の状態を頭で想像するしかなかった。 凄く疲れる作業なのだ・・・。 ソフトインストールの場合も、問い合わせの電話がくる。 私は君子でないので・・・ マニュアルぐらい読んでよ! と思う事もがあるが、一概に、利用者が悪いとは言えない。
ITの世界に、まかり通っている問題 |
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パソコンやソフトのマニュアルがカタカナの氾濫も手伝って 初心者には近寄りがたい物になっている。 ソフトのインストールの説明で設定画面を端折っている場合があり 素人が混乱しやすい状態になっている。 初心者向けの改善を行なう気がないのかと思ってしまうのだ。 |
そうなれば、素人が混乱するのも無理のない話だ。
システムを導入して以来の、頭の痛い問題だった。
そのため「Windowsの遠隔操作ができるソフトがあればなぁ」と思っていた。
UNIX系ならtelnetがあるため、遠隔操作が可能。
xhost+のコマンドを使って、Cシェルなら「setenv DISPLAY ホスト名:0.0」と
打てば、遠隔操作するマシンの画面が出てくる。
しかし、Windowsにはそんな物がない。だから、無理だろうと思っていた。
だが、その認識は誤りだった (--;;
「WindowsXP評価導入ガイド」(SE翔泳社)の、ITプロのお仕事の部分に
あのカリスマ・システム管理者の柳原さんが執筆されておられる記事があった。
記事の内容 |
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UNIXユーザーがWindowsNTを批判する場合に、最も多い意見が 「WindowsNTはリモート操作ができない」というものがある。 実際にはかなりの管理項目をリモート操作できるので、 「できない」というのは勉強不足を露呈しているだけ・・・ |
まさに私は勉強不足を露呈した!! (--;; しかし、その時は「へぇ、そんなソフトがあるのか」と思ったが なぜか導入しなかった。なぜなのかは記憶にありませーん (^^;;RealVNCの導入
そして、月日は流れていった。 電話でのパソコンの対応。ハッキリ言って疲れる。 ある日、商用の遠隔操作ソフト「PC-anywhere」があることを知る。 だが、費用が発生する上、どこまで操作ができるのか、わからない。 「無料で遠隔操作ができれば便利だなぁ」と思った時、ふと、記事を思い出した。 さっそく記事を取り出してみた。 フリーの遠隔操作ソフト VNC だった。RealVNCのインストール
どらどらVNCって、どんなものかなぁと思って、早速、ダウンロードしてみた。 RealVNC社のサイト インストールは簡単に出来た。 インストールに四苦八苦したら、奮闘記のネタになるのだが、ネタが作れず残念。 さて、実際に、VNCを動かしてみると面白い上、非常に便利!
RealVNCで遠隔操作中の画面 |
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私の使っている端末から、ある営業所のパソコンを 遠隔操作している様子。 相手の現在、開いている画面が、そのまま写し出され マウス操作ができる。 これだと、遠隔地のパソコンの操作が楽々できる。 |
自分のパソコンから、遠隔操作したいマシンの画面が表示できる。
そして、マウスだけで操作できる。
VNCはWindowsだけでなく、Linux版もある。
Linux上からWindowsの遠隔操作や、Windows上でLinuxの遠隔操作ができる!
Linuxの画面からWindowsマシンの遠隔操作中の画面 |
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私の使っている端末から、近くにあるLinuxマシンを遠隔操作。 (こわい話) 実は、Linuxの画面はroot権限で遠隔操作が可能です。 どういう場合かと書くと、Linuxマシンをrootでログインして、 rootでVNCを立ち上げると、遠隔操作でログインする場合は、 簡単にrootで入ることができます。 もし、これからVNCを導入してみようという方は、ご注意を! 実は、この時は、rootでログインしています。 まぁ、ローカルにつないでいる実験用のマシンなので、大丈夫か (^^;; (Windows版との違い) Windows版の場合は、相手の画面を表示してくれるし、その状態での操作が可能。 Linux版の場合、別プロセスで走るため、相手の画面を表示するわけではない。 |
こんな面白いソフトはない。しかも、無償ソフトなので、ありがたい。 遠隔操作するパソコンの前に、パソコン好きな同僚を座らせた。 そして遠隔操作を実演した。
同僚とのやりとり | |
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私 | 今から面白い事をします |
同僚 | 勝手に動かしたらアカンやん |
私 | これ、便利でしょ。 |
同僚 | これを使えば、営業所のパソコンの設定なども楽になるなぁ |
私 | それが目的ですわ |
RealVNCを、どの営業所からインストールしていこうかなぁと思っていた矢先、 パソコン好きの部長が、金沢へ出張。 そこで、部長に頼み、金沢営業所のパソコンにVNCをインストール。 早速、動作テストを行なった。 本社と営業所の間はフレームリレー回線(64K)で結んでいるため、 動きは、ぎこちないが、それでも、結構、使える。 遠隔操作を見た金沢の所長が・・・ 俺が操作中に、いたずらせんといてな と笑いながら言った。 さて、名古屋営業所にVNCを入れようと考えた。 事務員さんに電話して、VNCをインストールしてもらった。 そして、遠隔操作を行なってみた。 事務員さん曰く 何も触っていないのに、動くので不思議ですね! まるで、ポルタ─ガイストだわ! しばらくして、東京支店にいる部長が本社に出張でやってきた 部長はVNCを見て「俺のパソコンがトラブったら、見てくれへんかなぁ」 と言ってきたので、早速、VNCを入れた。早速、デモを行なった。 部長が驚きながら・・・ おっ、俺のパソコンが勝手に動くやん! と言った。 さて、面白い現象を発見。VNCで遠隔操作中は、遠隔操作のパソコンの 壁紙が表示されなくなる。 埼玉営業所から電話がかかってきた。 事務員さんが「何か、変な物が出てきたんですけど」だった。 「変な物」と言われても何かわからない。今までだったら、色々、想像していたが、 ここでもRealVNCの出番。 事務員さんにRealVNCをインストールしてもらい、遠隔操作をした。 大したことではなかった。なんかの表示(記憶にないが・・・)だったので、 「×」ボタンで消した。 事務員さん曰く「面白いですね。何も触っていないのに、勝手に画面が動くので」 まだ、全営業所にインストールしたわけではないので 徐々にインストールされていくと思う。
まとめ VNC。遠隔操作に非常に便利です。現地にパソコンに詳しくない人がいても、 VNCを使えば、パソコンの操作ができる上、問い合わせに対しても、 色々、神経を集中させて想像する必要がないため疲れることなく、 VNCでパソコンの状態を見て、適切な処置が行なえるからです。 これのお陰で、問い合わせの対応が一気に楽になりました (^^) 他に商用のパソコン遠隔操作ソフトとして「PC-anywhere」があります。 これは、TCP/IP以外に、NetBEUIなどの複数のプロトコルに対応しています。 その上、LANでの通信以外に、モデルをつけて電話回線を使ったパソコン同士の接続 (ISDNやダイヤルアップ)などにも対応しています。 しかし、LAN上でTCP/IPしか使わない場合は、VNCで十分だと思います。 用途に応じて、使い分ければ良いと思います (^^)